いま、カツオの脂のりが最高で、値段も例年よりお安く買うことが出来るそうです。旬ではないこの時期に、なぜなのでしょうか?
■いまは初鰹が主流のはずも…夏のカツオも脂のり抜群
良原安美キャスター:
カツオはビタミンや鉄分が豊富で、疲労回復や貧血予防に効果的。栄養満点な魚としても知られています。そんなカツオの旬は主に1年に2回あります。
▼初夏:初鰹(のぼり鰹)
エサを求め太平洋を黒潮に乗り北上するため身が引き締まり、さっぱりしている
▼秋:戻り鰹
エサをたくさん食べ、栄養を蓄えて南下するため脂がのり、もっちりしている
宮城県気仙沼沖で獲れたカツオですが、いまは初鰹が主流のはずが、今年は脂がのっているそうです。
断面はきれいなルビー色をしています。しかし、皮目の部分がうっすら白く脂がのっています。全体に「サシ」が入ってる戻り鰹とは違う脂の入り方になっています。なぜ、この時期に脂がのっているのか。理由は主に二つあるそうです。
青森・八戸沖で温かい水の渦「暖水渦」という海流が起こり、そこに留まっていた。この場所はエサが豊富で、運動しなくてもエサを食べられるため“運動不足”となり、脂がたっぷり乗っている。
もう一つ理由は、近年乱獲により個体数が減少。そのためエサが十分に食べられる環境にあり、成長速度が早まった。
このことから、この時期でも脂がのっているそうです。
■“魚のプロ”に聞いた!オススメのカツオの薬味は?
カツオを食べる際、ショウガやねぎ、にんにく、みょうが、塩、わさびなどの薬味がついてきます。これを使い分けることで、カツオをより美味しく食べることができるそうです。
どのような薬味を使うのが良いのか。魚の伝道師、元水産庁職員の上田勝彦さんに聞きました。
【脂が少ない初鰹・背中側】
しょうが、からし、マヨネーズ:苦味や酸味があるのでそれを相殺する。
からしは江戸時代にカツオを食べるときに使われていたそう。また、マヨネーズは使うと油を少し足してくれるので、旨味が増すそうです。
【脂の多い戻り鰹・腹側】
にんにく、わさび、ネギ:脂っぽさが中和するのにぴったり。
このように、薬味を使い分けるとより通な食べ方になるかもしれません。
■カツオの“鮮度”どう見分ける?鮮度が落ちても「塩カツオ」で旨味凝縮
スーパーでカツオのお刺身を選ぶときのポイントも上田さんに聞いています。ポイントは「透明感のあるルビー色のものを選ぶ」のだそう。
鮮度が落ちると、▼水分が出て刺身の角が取れてくる、▼どんどん茶褐色に変色してくる、そうです。さらに鮮度が落ちると「表面が緑色に光る」。こうなるとあまりお刺身で食べるのはおすすめできないということでした。
そんな鮮度が落ちているカツオは「塩カツオ」にするのがオススメだそうです。
【塩カツオのつくりかた】
①サッと水で洗い、水分に含まれている臭みを減らす
②カツオ全体に塩を振り、常温で余分なドリップ(水分)を出す
③塩を水で洗い、水分をふきとり完成
塩につける時間が長いと少ししょっぱくなるため、醤油つけず薬味だけで食べられるそうです。
井上貴博キャスター:
カツオが美味しいのはもちろんですが、薬味も食べたいですよね。
弁護士 萩谷麻衣子さん:
いろんな薬味と合うんですよね。大根おろしや梅干しなどもあいます。たたきだけではなくて、竜田揚げや南蛮漬けなど本当に美味しい。薬味にからしというのは、意外でした。
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<プロフィール>
萩谷麻衣子さん
弁護士
結婚遺産相続などの一般民事や、企業法務を数多く担当
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