所謂「傑作の森」と呼ばれる後世に名を残す名曲を、
次々と生み出した中期の絶頂期の作品です。
メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキーと共に4大ヴァイオリン協奏曲に数えられることも多いですが、作品の持つ気品、風格、スケール感などからすれば、王者の名にふさわしいのはやはりこの曲でしょう。
第2主題が短調に転じるあたり(2:00)のロマン性と、オーケストラが全合奏する時の威厳などは、まさにベートーヴェンならではの音楽と言えます。
しかし今でこそ名曲と仰がれるこの曲も、初演当初は反響も芳しくなく、その後40年ほどの間はほとんど忘れられた状態だったといいます。
それを甦らせたのが当時13歳で演奏した名手ヨアヒム。
指揮はバッハのマタイ受難曲も蘇演させたメンデルスゾーンでした。
作曲当時のベートーヴェンはヨゼフィーネという女性に恋をしていて、そうした心情が切ない旋律やはつらつとした曲調によく表れています。