富士山の火口付近で登山者とみられる3人が死亡しているのが見つかりました。さらに、登山道でも1人が搬送され、その後、死亡が確認されました。富士山は来月1日から順次、山開きとなります。国や県は、閉山中の富士登山に警鐘を鳴らしています。
富士山では4日前、東京都日野市に住む男性(53)が山頂付近でご来光を収めた写真などを妻に送ってから連絡が取れなくなっていました。救助隊員が捜索していたところ、見つかったのは1人だけではなく、他にも2人。3人とも、すでに亡くなっていたといいます。
標高2000メートルほどにある須走口近くの駐車場には、日野市の男性の車が残されています。男性は、ここに車を止めて山頂を目指して富士山を登り始めたということです。
五合目の山小屋で代表を務める米山さんのもとには様々な情報が寄せられていました。
東富士山荘 米山千晴代表
「登山なのと聞いたら『ショートスキーを持って行ってる』と。(Q.スキーをするなら火口で)しかないでしょ。他に雪がないから」
富士山は現在、閉山中です。閉山すると登山道が通行止めとなり、五合目より上の山小屋は閉鎖されます。ただ、登山はあくまで自己責任。閉山中でも十分な知識としっかりとした装備や計画を持っていれば、登山を妨げるものはありません。
富士山の火口は直径約780メートル、深さは200メートル以上あります。3人は離れた位置に倒れていたといいます。山頂は非常に風が強く、登山中に吹き飛ばされる危険もあるといいます。
その風が、一気に体温を奪うことも…。
上級登山インストラクター 栗山祐哉さん
「低体温症を引き起こした可能性も考えられる。気象状況や気温・時間によっては滑落のリスクも考えられる。(Q.ガスが出ることなどは)硫化水素の影響はほとんど聞かない」
富士山周辺は週末から連日雨でした。強風注意報や雷注意報などが出された時間帯もあります。山頂の最低気温は1℃前後にまで冷え込みました。
東富士山荘 米山千晴代表
「(Q.登り始めたとみられる時の天候は)すごく風が強かった。たまたまその日、うちのガイドたちが案内する用があった。2600メートル付近までお客様を案内した。風速20メートルぐらい吹いていた。その方は恐らく22日に強風の中、山頂に行ったと思われます」
遺体の身元はまだ確認されていません。警察によると、富士山で行方不明届が出されているのは東京・日野市の男性を含め、3人いるということです。遭難したとみられる時期が全員違うため、別々に山に入ったとみられます。
山開きを前に、富士山では26日、山梨県側でも登山者が亡くなりました。亡くなったのはプロクライマーの倉上慶大さん(38)で、八合目付近で突然、意識を失ったということです。
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