若き天才、ヨーロッパの知性の新たな継承者と称されるマルクス・ガブリエル。彼の思想が欧米ではもちろん、日本でも話題となり広がりを見せている。格差、分断、民主主義の危機も叫ばれ、テクノロジーが皮肉にも人々に恩恵のみならず不安とストレスを生んでいる時代に日本の可能性は? さまざまな分野の知性、街行く人々など多くの偶発的な対話も取り込んだ旅。その軌跡から見えるのは? 2018年日本の予定調和なき思索紀行。
『人間の尊厳』日本の精神医療に欠けているのはこれだと思う。哲学者マルクス・ガブリエルの対話は何と刺激的なのか!
"尊厳なき、倫理なき精神医療"このシステムはあまりにも残酷な結果をもたらしている。
質問:日本だと"民主主義とは多数決である”と言う通念がある
マルクス・ガブリエル:倫理の土台がなければ、多数決は無意味です。人々の95%が賛成したからって、ユダヤ人を殺すわけにいかないよね。
「人間の尊厳は譲れない権利だ」
これはドイツ憲法の最初の一文です。
第二次大戦の後、この憲法を作ったのです。「権力をどう制限できるか」を考えました。
「倫理」による法の支配を土台に置くべきだとしたのです。
倫理の土台がなければ、権力は無制限に暴走します。