TACO 自殺未遂ライブ(Live at 中野plan-B 1982.09.01)

すれお あずま 2018-11-05

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1982年9月1日、東京都中野区弥生町のplan-Bで山崎春美が「自殺未遂ギグ」と称して手首などを出刃包丁で切り、救急車で運ばれるショーを行う。この会場でのドクターストップ役は精神科医の香山リカが務めた。伴奏者はTACOの篠田昌已、細川周平、菅波ゆり子の3人で、血まみれになって痙攣する山崎に全く動じることなく、葬送曲のような重苦しいメロディを最後まで淡々と演奏しきったという。またショーではTACOのボーカリストであったロリータ順子(篠崎順子)が「ハッピーバースデートゥーユー」を歌いながらパイプ椅子やヒール靴で無抵抗の山崎に殴りかかる一幕もあり、ライブはさながら地獄絵図の様相を呈した。ちなみにギグで山崎が着用していた血染めのTシャツは『宝島』の応募企画で限定1名にプレゼントされている。

なお後にギグの模様を収めた約1時間にも及ぶビデオテープが奇跡的に現存していることが判明し、1997年頃に映画監督の福居ショウジンが主宰するイベント「東京サロン化計画」の一環で何度か上映されたことがある。

2018年現在、自殺未遂ギグのソフト化は一切実現していないが、マスターテープからダビングされたコピーがコレクターの間で密かに流通していたようで個人所蔵のVHSテープが複数本現存しているのが確認されている。

自殺未遂ギグの詳細については太田出版発行のサブカルチャー雑誌『Quick Japan』11号「特集/山崎春美という伝説─“自殺未遂ギグ”の本音」(1996年)や香山リカによる『ポケットは80年代がいっぱい』(バジリコ・2008年)などに詳しい。ちなみに新宿ロフト創立者の平野悠は著書『ライブハウス「ロフト」青春記』(講談社・2012年)の中で「ハードコア・パンクで一番恐怖を感じさせ、最も破壊的だったのは、非常階段でもスターリンでもじゃがたらでもなく、タコの山崎春美と香山リカによる『自殺未遂ギグ』だろう」と評している。

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