“メルトダウン公表遅れ”第三者委が報告書
2016年6月16日 19:55
福島第一原発の事故で核燃料が溶け落ちた「メルトダウン」の公表が遅れた問題について、東京電力が設置した第三者検証委員会は報告書をまとめ、「官邸は問題を大きくしたくない。控えめにしよう」とする動きがあったことを明らかにした。
第三者検証委員会は16日、報告書を東京電力に提出した。その中で、福島第一原発の3号機が水素爆発した後、当時の清水正孝社長が、「炉心溶融」いわゆる「メルトダウン」という言葉を使わないよう、記者会見する役員に指示していたことを明らかにした。
これは、清水社長が官邸側から、「炉心溶融」を認めることについて慎重に対応するようにと要請を受けていたためとみられると述べ、さらに、「官邸は問題を大きくしたくない。控えめにしよう」とする動きがあったと指摘した。
東京電力は、事故直後の会見では「炉心損傷」という言葉を使い、メルトダウンしていることを明らかにしたのは事故から2か月後だった。
東京電力は報告書の内容を精査し、来週、広瀬社長が記者会見を行うことにしている。